工芸が見つめる未来
体験が解きはなつ
産地への衝動
工芸は時代とともに変化し、歩んできました。文明から押し出されそうになりながらも、たくましく営みや技術と共存し、今日もまたどこかしこで産声をあげています。工芸とは、ものづくりの心をくくる言葉でしかないのかもしれません。人々がなぜそれに惹かれるのか。私たち日本工芸産地協会は、その根をそれぞれの土地と人とに見出そうとしています。産地で技を振るう職人への驚きと感動の眼差しに数多く出会ってきたからです。
全国各地で培われてきたものづくりが集う場で、技に触れ、語り、今を生きる姿、未来へのきっかけを感じれば、訪れた人はきっとその土地へ行ってみたい気持ちを駆り立てられるでしょう。その昂ぶりは、職人たちの意欲を燃やし、工芸産地の次を切り拓くにちがいない。そして万博の開催が間近に迫る大阪から、このつながりを世界中に拡げていきたい。想いと志を強く高く、ここに再び日本工芸産地博覧会を開催いたします。